診療について糖尿病内科

糖尿病専門医として、糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病など)を中心に、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病の診療を行います。

糖尿病について

糖尿病とは、膵臓から出るインスリンというホルモンが十分に働かず、血糖値が上昇してしまう病気です。血糖値が高くなると尿にも糖が出てくるようになり、放置すると口渇、多尿、頻尿、体重減少などの症状があらわれます。

  • 1型糖尿病

    自己免疫などにより膵臓のβ細胞(インスリンを出す細胞)が破壊されて起こります。小児から青年期の方に多くみられる糖尿病です。(中高年に発症することもあります。)
    1型糖尿病では、食事療法や生活習慣の改善だけではほとんど効果がみられず、インスリン注射による治療を続けていく必要があります。

  • 2型糖尿病

    遺伝的な要因などによるインスリン分泌低下に加えて、食べ過ぎ、運動不足、肥満などの環境的な要因によりインスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性の2つの要素が重なることで発症します。血糖値を望ましい範囲にコントロールするため、食事や運動習慣の見直しがとても重要です。また、飲み薬や注射なども必要に応じて使用します。

  • 妊娠糖尿病

    妊娠中に初めてわかった高血糖状態にあることを妊娠糖尿病と言います。妊娠中に分泌されるホルモンがインスリンの作用を効きにくくするため、妊娠中は血糖値が上がりやすくなることが原因です。この妊娠糖尿病では症状がほとんどないため、気付かないうちに血糖値が高くなってしまわないよう、妊婦健診で血糖検査を受けて予防するようにしましょう。

  • 糖尿病の治療

    糖尿病の治療は食事療法、運動療法、薬物療法が3本柱です。まず食事療法、運動療法を行って生活習慣を改善していきます。それでも血糖がコントロールできない場合は、薬物治療を行います。

    • 食事療法
      • 1日3食を規則正しく食べる
        朝食を食べなかったり、夕食の時間がバラバラだったりすると、肥満や血糖値のコントロールがうまくできず、糖尿病を悪化させてしまいます。まずはきちんと決まった時間に3食食べるようにしましょう。
      • よく噛んで、ゆっくり食べる
        きちんと噛まずに飲み込んだり、早食いをしてしまうと血糖コントロールが乱れます。毎回の食事で、よく噛んでゆっくり食べることが大切です。
      • 食べる順番に気をつける
        食物繊維が豊富な野菜やきのこ、海藻などを最初に食べ、次にタンパク質のおかず、最後に炭水化物を食べると良いでしょう。
    • 運動療法

      有酸素運動と筋力トレーニングを行うことで、インスリンの効果を高め、血糖値を下げることができます。

      • 有酸素運動(ウォーキングなど)
        1回15〜30分を1日2回行いましょう。(運動量は1日8000歩程度が目安です。)
      • 筋力トレーニング
        足や腰、背中などの大きな筋肉を中心に全身の筋肉を動かしましょう。(1セット10回程度で週2〜3回が目安です。)

      糖尿病の状態が悪い方やご高齢者の場合、強度の強い運動を行うと血管や心臓の負担になってしまうことがあるので、どのくらいの運動量が適切か担当医に相談しましょう。

    • 薬物治療
      • 経口血糖降下薬の服用
        インスリンの分泌を促す薬、インスリンの効きをよくする薬などさまざまな種類があります。
      • 注射薬の治療
        インスリンを注射により外から補う治療の他、インスリン分泌を促すと同時に食欲を低下させ、体重減少も期待できる薬剤もあります。

      インスリン注射の副作用として、インスリンの効きすぎにより血糖値が下がり過ぎてしまう「低血糖」があります。症状には個人差があるため、低血糖になった際の状況をノートなどに記載し、ご本人だけでなく家族も把握して症状が出た初期段階で対処できるようにしておきましょう。

その他の生活習慣病について

「生活習慣病」というのは1つの病気ではなく体の負担になるような生活習慣を続けることで引き起こされる病気の総称です。その中でも高血圧、脂質異常症、高尿酸血症についてご紹介します。

  • 高血圧

    血管に過度の圧力がかかっている状態を高血圧といいます。高血圧が続いてしまうと血管の内側の壁に傷がつき、そこに血中のコレステロールなどが溜まってしまい、動脈硬化を引き起こしてしまいます。これが元になり、やがては脳卒中や狭心症など生命に関わるような病気に繋がってしまいます。治療法としては、まずは食事管理や適度な運動などの生活スタイルの見直し、必要な場合は薬も使用していきます。

  • 脂質異常症

    血中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増えたり、逆に善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減っている状態を脂質異常症といいます。悪玉コレステロールが増えた状態が続くと、血管を傷つけてしまい動脈硬化を引き起こします。基本的な治療法は高血圧と同じく生活スタイルの改善ですが、高血圧や糖尿病も併発されている方はより厳しく数値を管理していかなければなりません。

  • 高尿酸血症

    体内の「プリン体」とうい物質が分解されでできた老廃物を尿酸といいます。この尿酸は通常体外に排出され一定のバランスが保たれます。しかしうまく排出されず、血液中の尿酸量を表す「血清尿酸値」が7.0mg/dLを超えた状態を高尿酸血症といいます。尿酸値が高い状態が続くと、尿酸の結晶が関節などにたまり激痛を伴う発作を引き起こします。治療としては、まず尿酸値を下げるため食事療法を行います。プリン体を多く含む食品(レバー、魚卵、アルコール飲料など)の摂取を控え、バランスの良い食事をとりましょう。食事療法とともに運動療法も行います。薬を使用する場合もあります。